名画座-SHIN-  風船(1956)

川島雄三 監督  ・  森雅之 三橋達也 主演

 

「金と言うやつは生活に要り様だけある分には良いが、それ以上あると人間を腐らせるだけのものなんだよ。俺は、金のために絵を描くくらいならと思って今の仕事に入って、ま、成功した。ところが、その金が今度は子供を腐らせ始めた。いやぁ、このへんで金儲けとは手を切る方が良い。その方が自分のためにもなるし、子供のためにもなる。」

 

絵描きをやめて起業し、30年で大企業に育て上げた社長・森雅之が、長男であり部長の三橋達也の不行跡を目の当たりにして、妻に話すセリフ。

森雅之と言えば、抜群の不行跡役を積み重ねた二枚目俳優。その彼が、実に厚みのある父親役を見事なまでに演じ切ってます。私はこの父親像に胸が晴れ晴れする思いでした。さっするに、役者は天才なんですね。忘れちゃいけない、黒澤明監督の「白痴」で、白痴の男性を完璧なまでに演じ切った彼ですからね。

早逝の鬼才、川島雄三監督の演出もさえる。ハッキリ言って、この作品は、監督名で借りてみたようなもんですから期待は大きかったんです。しっかり答えてもらえました。

 

冒頭のセリフは60年前の作品とは思えない鋭さが、いや、人の性と言うものは古今変わらないということなんでしょう。

身の丈に余るお金なんて、持ってしまったらそれに見合う何かを失ってしまうだけ。貧乏で良かったぁ、と再確認しました。

あ、私の場合、身の丈に合うまでにもうちっと隙間があるんで、それくらいは稼がないと!!

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