先日の依頼は、寝たきりの女性の散髪にと、ご家族さんからの電話。日時を約束して行くわけですが、初めて行くお宅なので、カットする部屋・カットする体勢・カオソリされるのかどうか・その他不確定要素がたくさんで、使う可能性のある用具を一式持って上がりました。
ベッドで寝てられる方ですが、起き上がるのは困難と言うことで寝たままでのカット。
「道具持ってきてるんでおかおそりも出来ますよ。スベスベになりますよ」
『いやぁ、なんか怖いわ』ってことでカットのみ。
まず、体の下にカットシートを広く敷き、首だけ出るようにカットクロスを装着し、横髪からカット。肩に付かないくらいのミディアムがご希望なので、アゴ辺りで揃えます。右サイドから右側を切って、左に回ってカットして。
ご自身のことや、わたしの親の介護のことなど話しながら楽しく仕事を。
問題は、後頭部。上半身を起こせたら切れるんで、ご家族さんは「起こしてみましょうか」とのことでしたがご本人さんが「今日はもうしんどいから良い」ってことで断念。起き上がる姿勢でも呼吸が辛そうなご様子にそこでハサミを置きました。
『あー、気持ちよくなったわ。おにいちゃん、ていねいにしてくれはったなぁ。男前やなぁ、結婚してんの?』
「してますよ」
『そう、奥さんによろしぃ言うといて』
「はい(笑 よかったらかおそりもどうですか?スベスベになって気持ち良いですよ。」
『そう?また今度してもらおかな』
「じゃぁまた呼んでください」
『ありがとう。奥さんによろしぃ言うといて』
ご本人さんもですが、ご家族さんが喜んでくださる気持ちが良くわかるんです。自分の親がきれいになるってホント嬉しいですもんね。